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書評:「縮小ニッポンの衝撃」をオススメしたい

JUGEMテーマ:オススメの本

「縮小ニッポンの衝撃」

2030年までに、日本の人口は約30%減少する!

- NHKスペシャル取材班 -

 

「未来の年表」を読んで日本の未来に不安を感じた貴方、

関連オススメ本をもう1冊紹介します。

 


縮小ニッポンの衝撃 (講談社現代新書)

 

「未来の年表」を読んで、少子高齢化が進む日本の未来に対して強い懸念を持ちました。

そんな時に見つけたのがこの本です。

 

2016年9月25日に放映されたNHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」の取材班が

2017年7月に出版したもので、基本的にテレビ番組と同じ内容です。

 

「未来の年表」同様、暗い未来予想図を描くものですが、数々の自治体が直面する

現状を具体的に紹介している分、恐怖感がよりリアルに伝わってきます。

 

「今のままでいい。」特に考えることなく、口にしてきた言葉ですが、果たして日本は

将来も今のままで居続けられるのでしょうか?

 

本当に考えさせられます。問題解決のためには、まずは現状把握です。

 

1. 東京都豊島区も「消滅可能性都市」!

NHKスペシャルの始まりも、やはり豊島区の話からだったと記憶しています。

豊島区の現在の人口は約29万人で、2000年以降、順調に増え続けているとの事です。

 

豊島区に馴染みのない方も、主要ターミナル駅である「池袋」駅の名前は聞いた事が

あるのではないでしょうか。

 

東京中心部の賑やかな街を眺めていると、人口減少、更には消滅などという言葉とは

全くイメージが結びつきませんが、豊島区は「日本創成会議」が2014年に作成した

「消滅可能性都市」のリストに含まれているそうです。

 

豊島区が含まれるくらいなので、リストの内容は衝撃的で、全国の自治体の50%、

実に896の市区町村が「消滅可能性都市」としてリストアップされているとの事です。

 

約半数の自治体に消滅の可能性があるなら、日本は一体どうなってしまうのでしょう?

 

それを予測した地図があります。国土交通省作成の「国土のグランドデザイン2050」は

1㎢のメッシュで、2050年に人が住んでいないであろう地域を黒く塗り分けています。

(出典:「縮小ニッポンの衝撃」)

 

地図を見ると、予想以上に日本地図が黒く塗りつぶされている事に衝撃を受けます。

国土交通省によると、2010年に人が居住していた地点の約2割が、2050年時点では

無居住地域に変化するとの事です。

 

居住地域においても、多くの地域が人口減少、高齢化、それに伴う財政難に直面する

事になると予測されています。

 

ちなみに人口増加中の豊島区が「消滅可能都市」とされる理由もほぼ同様で、従来同様

増加は単身世帯中心ですが、20歳代から30〜40代へと高齢化が進んでいるからです。

 

流入者には年収が低い人の流入も多く、結婚、子育てによる人口増加に繋がりづらい

とも指摘されています。

 

結果として、税負担能力の高い50代以下の人口が減少し、60代以上の人口が増加すると

豊島区は予測しています。つまり、人口減少、高齢化、財政悪化が見込まれる訳です。

 

こうした流れは豊島区だけに起きる訳ではなく、東京全体でも単身高齢化が進み、

人口減少に突入する可能性があると本書は指摘しています。

 

東京についてはいまだ可能性レベルですが、地方では既に人口減少が始まっており、

まさに進行中の問題です。

 

2. 日本全体が夕張市に

自治体の財政難を話題にする時、よく取り上げられるのは、北海道夕張市です。

 

夕張市は1990年代の半ば、人口11万人の都市であったのに対し、財政破綻した2006年

には人口が13,000人に、昨年には更に8,500人まで減少したとの事です。

 

財政破綻の結果、公共施設は閉鎖、小中学校も閉鎖統合され、それぞれ1校のみに減少。

市役所職員の給与も40%カットされ、400人が100人に削減、行政サービスも次々と

打ち切られました。

 

その結果、若者の流失は加速、高齢者割合が50%超に達する一方、15歳以下は6%に。

2040年の目標人口は、なんと4,500人との事です。1990年代半ばから50年以内で

人口が95%以上減少するという、まさに悪循環そのものの、恐怖の展開です。

 

そんな夕張市が進めるのは、コンパクトシティ化の推進であり、例えば今や3割しか

居住していない市営住宅の一部を「政策空家」として放置し、居住区域を集約する事等

だそうです。

 

但し、集約したところで税収が増える訳ではないので、老朽化する団地も最低限の

修繕しか行えず、居住環境はかなり厳しそうです。

 

テレビ番組の中では、居住者のご高齢の方が、大変気の毒な思いをされているのに、

行政はやり方がひどいというような発言も紹介されていましたが、無い袖は振れない

という単純な事実がまさに突きつけらている訳です。

 

こうした悪循環に一旦はまってしまうと、そう簡単には抜け出せそうにありません。

 

そんな夕張市の姿は決して特殊なものではなく、将来の日本の姿に被って見えます。

全国の自治体からの見学が絶えないという事実が、それを示していると言えそうです。

 

3. 未来の日本の縮図、島根県

島根県は日本全体よりも一足先に高齢化が進み、日本の縮図と捉えられるそうです。

 

本書での紹介は2例で、一部の集落では無人化の結果、街が野生動物に占拠されて

荒れ果ててしまった事、また、他の地域においても行政のスリム化による限界から、

行政サービスの一部を住民に移管する動きが始まっているという事です。

 

一部の地域での今後の課題は、人が住む地域を集約化し、限定された地域に絞って行政

サービスの提供を行う事や、過疎集落からの集団移転だそうです。

 

これまではどこに住むかは住む人の自由であり、どこに住んだとしても行政サービスは

当たり前に受けられるものという認識だった訳ですが、いくつかの地域ではそんな余裕が

最早失われています。

 

数人のために大きなコストを負担する人員、或いは金銭的余裕が失われているからです。

 

これまで当たり前であった道路の補修、水道、ごみ回収というような行政サービスすら、

今後人口減少が進む中では提供するのが難しくなってきます。

 

では、集まって住めばいいという話になりますが、事はそう簡単ではありません。

コンパクトシティーなる言葉はよく使われますが、成功例というのを正直あまり聞いた

ことがありません。

 

財産権や個人の自由など調整が極めて困難と考えられてきた分野ですが、本書によれば

現在は「縮小」の議論がかなり行えるような環境になってきたとの事です。

 

4. 東京も例外ではない

こうした地方が抱える問題に対し、東京は無関係と言う訳ではありません。

2015年の国勢調査では1都3県の250自治体の半数以上で人口が減少したとの事です。

 

現在は中心部では人口が増加しており、減少は主に周辺部で起こっている訳ですが、

将来は中心部を含む全体で人口減少が予測されています。

 

再び衝撃的な地図を紹介します。1都3県の市区町村別の人口増減を表したものですが、

暗い色が黒いほど人口の増加、明るい色ほど人口の減少を表します。

 

2010年から2015年の5年間では大方のイメージ通り、中心部では人口が増加する一方、

中心から離れる程人口が減少する様子が見られますが、減少幅は限定的です。

 

一方、2035年から2040年の予測ではごく一部を除く、全ての市区町村で人口が減少

するとされています。

 

まさに首都圏も例外ではなく、日本全体で人口減少が進むとの予測です。

(出典:「縮小ニッポンの衝撃」)

 

本書では、エピローグとして東京近郊の都市、神奈川県横須賀市を紹介しています。

 

横須賀市は品川まで電車で1時間程度の人口40万人の都市であり、東京への通勤、

通学を行っている方も多い郊外の都市です。

 

そんな横須賀市は前回の国勢調査で、12,000人の減少が観察され、高齢化率も30%に

達たとの事です。

 

結果として高齢者の増加、社会保障費の膨張、労働人口減少、税収減少が連鎖的に発生、

このため、公共サービス、公共施設が維持できないという事態に面しているそうです。

 

そんな横須賀市で最近起こっていることは、孤独死の増加と引き取り手のない遺骨の

増加だそうです。

 

何ともやりきれない気持ちにさせられる話ですが、横須賀市だけの問題ではありません。

 

行政サービスを委任された島根県の住民の1人は「自分達はゆでガエルである。」と

取材陣に自嘲したそうです。つまり、まずいとは思いながら、対策を1日1日と先送り

してしまい、取り返しのつかない事態に陥ってしまったという訳です。

 

人口減少は決して他人ごとではなく、日本全体が抱えている問題です。

 

「未来の年表」の著者は、人口問題は短期的な変化が見えづらいものの、事態は確実に

進行していくと指摘しています。

 

日本全体として、これまでは耳の痛い議論を避けて済ませる余裕があった訳ですが、

最早待ったなしです。一人でも多くの方が人口減少に対する危機意識を持ち、対策を

検討し、実行することが現代の日本に生きる者としての責任であると痛感しました。

 

「縮小ニッポンの衝撃」、「未来の年表」と併せて必読の本です。

 

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